セイヨウオオマルハナバチは、ヨーロッパ原産の社会性昆虫で、ネズミの巣穴などを利用して土中に巣を作ります。女王蜂が冬を越し、春に活動を再開して巣作りを始め、働き蜂、新女王蜂、雄蜂を産出します。盗蜜行動を行い、在来植物の繁殖を阻害するほか、在来マルハナバチを駆逐する可能性があるため、日本では特定外来生物に指定され規制されています。
生態・生活史
- 巣の形成と冬越し:女王蜂は土中(主にネズミの巣穴)に巣を作り、春に目覚めると巣作りを始めます。働き蜂が生まれると女王蜂は産卵と育児に専念します。
- コロニーの拡大:秋が近づくと、新しい女王蜂と雄蜂が作られ、繁殖活動が行われます。
- 一年生の生活史:女王蜂と働き蜂、雄蜂は秋に死に、新女王蜂が翌年春まで越冬します。
特徴
- 形態:全身毛で覆われ、黒と黄色が混じった毛並み、そして白い尻尾が特徴です。
- 盗蜜行動:舌が短いため、花筒の長い花では花の側面に穴を開けて蜜を吸うことがあります。この際、おしべやめしべに触れないため、送粉されずに在来植物の繁殖を阻害します。
生態系への影響(日本において)
- 競争と駆逐:在来マルハナバチよりも競争力が高く、営巣場所やエサを巡って在来種を駆逐する可能性があります。
- 生殖撹乱:在来種女王蜂と交尾し、その種子(精子)を貯精嚢に保管することが確認されており、在来マルハナバチの生殖に深刻な影響を与えています。
- 在来植物への影響:盗蜜行動により、在来の植物の種子生産が阻害されます。
- 感染症の媒介:輸入されてきた際に、在来マルハナバチに疾患を引き起こす寄生性のダニを媒介する可能性も懸念されています。
規制と対策
- 特定外来生物指定:生態系への影響から、日本では2006年に特定外来生物に指定され、飼育・保管・運搬などが規制されています。
- 使用時の対策:農業分野での受粉用ハチとしての利用を続けるには、ハウスの密閉ネットによる逃亡防止、使用済み巣箱の適切な処分など、生態系リスクを低減する対策が重要視されています。